鈴姫伝説
再び千を見ると、彼の顔色は青白く、血の気を失っていた。
イヤだよ……千!
「すずか……」
「千!?」
金色の瞳を開いた千は、弱々しく笑った。
「も、う……大丈夫だ……」
なにが?
なにが大丈夫なの?
千は……どうしたらいいの?
「少ししたら……治る……」
千は、あたしの肩を掴むと、立ち上がった。
その瞬間、彼の顔色は治っていて、女神を睨み付けている。
その金色の瞳には、エメラルドグリーンの炎は宿ってはいなかった。