鈴姫伝説
「あまりよく、覚えていないが……女神と会ってからすぐに俺の身体には、もうひとつの魂が閉じ込められた。
“ヒース”という、残酷非道なヤツで、アイツは俺の身体を使い、魔物を暴れまわらせた。
ヒース自身の意志でもあったが、女神の思惑通りに……」
「……全てが順調にいっていた……。
なのに、そんなときお前が現れた!!」
それまで、千の話を無言で聞いていた女神は、あたしに噛みつくように怒鳴った。
それを千は、無言で睨む。
「そう、鈴の生まれ変わり
『木村すずか』が生まれたんだ。
そして、鈴がいなくなった時と同じ歳の15歳のとき、ミューマを送った。
すずかを監視するために」
千の声は少しずつ重く、暗くなってきている。
女神は反論せず、あたしたちを警戒している。