鈴姫伝説
ワラワラと、女神が手下を引き連れ、庭へと、出てくる。
女神はあたしたちを、見上げた。
「今なら、まだ許すわ。
早く下りてらっしゃい」
女神がさっきより優しい声を出した。
しかし、千はキッと女神を睨んで……。
「俺はもう、仲間じゃない。
すずかと、帰るんだ」
そう言って彼は、あたしをもう一度強くあたしを抱き締めた。
「ッッ!」
-パアァアッッ!
そのとき、突然変身が解けた。
あ……霊力が限界……。
身体の力が抜けてしまって、自分で立つことすらままならない。
「すずか、早く帰ろう」
視界がぼやけるなか、聞こえたのは女神の怒鳴り声と、千の息づかい。
すぐ近くに彼の体温があることを実感していると、あたしは気を失った。