鈴姫伝説
カレンデュラ
目を覚ますと、そこは知らない洋風の天井で、あたしはベッドに寝かされていた。
身体がダルい。
部屋の奥には誰かがいて、あたしが目を覚ましたのに気づくと、パタパタと足早に出ていった。
ここはどこだろう。
唯一、自由に動く首をずらして、辺りを見渡す。
ツインテールにしているはずの髪はほどけていて、しっとりとかいた汗で首に張り付いている。
「大丈夫か?」
ドアが開いて、聞いたことのある声が上から降ってきた。
「ロイル……」
彼はベッドのふちに腰掛けた。
フワリと大きな手が、前髪の上から額を押さえた。
「熱は、ないな」
そう言って、彼はあたしを優しく見下ろした。