鈴姫伝説
「説明は後のほうがよくない?」
ぼんやりとしていたら、ゆきなのひんやりとした声が飛ぶ。
さっきの魔物を囲んだ氷のような冷たさ。
そういえば、あの氷はなに?
どこから現れたの!?
「ゆきなっ!!あの氷なに?」
──パキィッ
魔物を捕らえていた氷はピキピキと音をたてて剥がれ落ちていく。
「それは……」
ゆきなが言いかけたとき、魔物は自由になってしまっていて……。
慌ててゆきなの横に立って魔物を睨む。
早く倒そう。
なんかわからない。
この疑問を早く解き明かしたい。
モヤモヤしたままは、ヤダもん。
「はあぁあああっ!!」
その瞬間、ゆきなが漆黒の髪をたなびかせ、風のような速さで魔物へと向かう。