鈴姫伝説







「ッ! もしかして、エク……」







「お前、鈴なのか?」







ナディが信じられないとでも言う風に、エクに言った。









「たぶんそうだ」








少しエクも驚いている。







そりゃ、びっくりするよ。






だって鈴だったんだから。









「もしかして、僕がエクを助けたとき、倒した魔物からは鈴が出てこなかった。






もう魔物から鈴は出ていたんだ。







エクにはカレンデュラ王国の戦士と同じように力があったから、自力で魔物から外へ出られたんだ」









銀さんが納得したように、頷いた。








ってことは、鈴は残るはひとつ。









「はい、すずか」








あたしのところへビンが回ってくる。








突然左手が熱くなった。












「ッ!?」







「すずか、その鈴……」







左手を見ると、白い鈴が光っている。










艶……。







あたしは左手をビンへと近づけた。











< 432 / 511 >

この作品をシェア

pagetop