鈴姫伝説
「ッ! もしかして、エク……」
「お前、鈴なのか?」
ナディが信じられないとでも言う風に、エクに言った。
「たぶんそうだ」
少しエクも驚いている。
そりゃ、びっくりするよ。
だって鈴だったんだから。
「もしかして、僕がエクを助けたとき、倒した魔物からは鈴が出てこなかった。
もう魔物から鈴は出ていたんだ。
エクにはカレンデュラ王国の戦士と同じように力があったから、自力で魔物から外へ出られたんだ」
銀さんが納得したように、頷いた。
ってことは、鈴は残るはひとつ。
「はい、すずか」
あたしのところへビンが回ってくる。
突然左手が熱くなった。
「ッ!?」
「すずか、その鈴……」
左手を見ると、白い鈴が光っている。
艶……。
あたしは左手をビンへと近づけた。