鈴姫伝説





「お姉ちゃん……伝説の鈴の居場所、わかるの?」





ゆきながあたしに問いかける。





わかるかどうかって言われたら、今は正直わからないけど……。





別に身体に変化があったわけでもないんだよね……。









そのとき。






-ポムン。







突如、あたしの目の前で、煙が上がった。









「へっ……?」








なに、なに、なに、なに?









仲間たちはみんな、一斉に構える。







けれど姿を表したのは……。
















「あ、こんにちは。







わたしは伝説の鈴の精です」











キラキラと光る粉をまく、小さな妖精の女の子だった。











「伝説の鈴の……精……?」








なに、それ。







そんな人いたの?












戸惑うあたしたちをよそに、その精は笑顔で言った。













「伝説の鈴からの伝言です。














ひとつ目は



『希望を絶対に捨てるな』





もうひとつは




















『わたしはもう、あなたたちの近くにいます』




ということです。







それだけですので。







それではっ!!」













-パチン……。













伝説の鈴の精は、伝言を伝えると、消えてしまった。









< 435 / 511 >

この作品をシェア

pagetop