鈴姫伝説
「お姉ちゃん……伝説の鈴の居場所、わかるの?」
ゆきながあたしに問いかける。
わかるかどうかって言われたら、今は正直わからないけど……。
別に身体に変化があったわけでもないんだよね……。
そのとき。
-ポムン。
突如、あたしの目の前で、煙が上がった。
「へっ……?」
なに、なに、なに、なに?
仲間たちはみんな、一斉に構える。
けれど姿を表したのは……。
「あ、こんにちは。
わたしは伝説の鈴の精です」
キラキラと光る粉をまく、小さな妖精の女の子だった。
「伝説の鈴の……精……?」
なに、それ。
そんな人いたの?
戸惑うあたしたちをよそに、その精は笑顔で言った。
「伝説の鈴からの伝言です。
ひとつ目は
『希望を絶対に捨てるな』
もうひとつは
『わたしはもう、あなたたちの近くにいます』
ということです。
それだけですので。
それではっ!!」
-パチン……。
伝説の鈴の精は、伝言を伝えると、消えてしまった。