鈴姫伝説
怖い……。
「…………」
左肩を押さえながら、女神は千の前までおぼつかない足取りで歩いてくる。
その彼女の顔には、生気がなかった。
そして虚ろな目であたしたちを見ると、口を開いた。
「……もう、いい。
遠慮などしない。
消してやる……!!」
ゾクリと背筋が凍った。
ドクン、ドクンと女神の鼓動が大きく聞こえる。
そして、徐々に黒光りしながら、大きくその身体は膨らんでいく。
ギシギシと、その身体はきしんでいる。
そして……。
「あぁ……ッ!」
「グルルルルッ」
女神の華奢で美しいボディーラインは、大きな魔物の姿になった。