鈴姫伝説







「くっ……!





なんだ!?」





あまりの光の強さに、女神はうろたえる。






あたしはというと、力が抜けてしまいそうだった。





霊力が、風船の空気を抜くように、あたしの中からなくなっていく……。






それでも、必死に腕に力を入れて千を抱き締めた。





「え……これは……」






「グルル……な、に……?」








光は、左手の方から出ている。






恐る恐る左手を持ち上げて見つめた。












「変身の鈴が……光ってる……」






その場にいた全員が動きを止めて、その美しい光に見とれた。







うそ……。






ずっと持っていたの?






あたしは、伝説の鈴を……。







震える手を、左手の光へと伸ばした。












─ヒュン!!





「くぁっ……!」






しかし、その鈴は飛んできた何かに奪い取られた。






その反動で、あたしは床へと叩きつけられる。








そして、パン!と光が弾けて、変身が解けてしまった。




その威力で、千はどこかへと押し退けられる。












「返して……」









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