鈴姫伝説
「良かったね。ちゃんと浄化できたよ」
ゆきなの明るい声音。
まあ、確かに浄化出来ましたけど。
ゆきなのお陰でね。
あたしたちは変身を解いた。
ミューマと笑顔を見せあっているゆきなの横顔を見つめた。
その顔は、さっきの戦っていたときとは違う。
今までのあたしの知っているあたしの妹のゆきな……。
あの氷……ゆきなが出したんだよね。
あと、あたしと同じように変身してた。
絶対、霊力は感じた。
あたしよりは小さいけれど、強い力。
「ゆきな、あなたは何者……?」
紺色の瞳に宿る光は強く気高い。
あたしの妹なのに、まるで知らない人みたい。
手に知らず知らずのうちに汗が滲んでいた。