鈴姫伝説
なんとあたしは、中三の夏休みの時の記憶がない。
それ以前の記憶は全てあるのに。
気づくとあの日、あたしはベッドに寝ていた。
起きたとたんに身体中が痛んで。
ワケがわからなくて、不安があたしを襲った。
しかもベッドの横には心配そうな顔をした、ゆきながいた。
『ッ! 大丈夫!? お姉ちゃん!!』
『ゆきな? あれ? あたし何して……』
『お姉ちゃん!
勝ったんだよ、私たち』
『勝った、って?
なんのこと?』
『やだ、お姉ちゃん。
何冗談言って……』
『ゴメン。 なんのこと?
わかんないんだけど』
『…………うそ……』
『?』