鈴姫伝説
「軽く自己紹介しろー」
先生の一言に、思考停止。
え。
まって、あたし『木村』だから、すぐじゃん!
あっという間にあたしのところへ出番が回ってきてしまう。
うわあ、どうしよ。
何にも考えてないよ。
と、とりあえず。
「き、木村すずかです。
よろしくお願いしますっ」
パチパチと、拍手が起こって、あたしは席に着く。
よかった。
ほっと、胸を撫で下ろす。
あたしが座ると、隣の人が立ち上がった。
あれ?
いつの間にいたの?隣の人。
「黒木千です。よろしく」
低くて心地よい優しい声。
男の子だったんだ。