鈴姫伝説
「この瞳……」
「へ?」
「黒に、見えるのか?」
「…………はい」
とーってもキレイな黒色に。
彼はわずかに、目を見開いた。
「お前、記憶と……さらに霊力まで失ったのか?」
霊力……?
なんのこと?
わからなくて、首をかしげる。
ってか、記憶ないこと、なんで知って……。
なんか、様子がゆきなと似てる……?
「この瞳は他の人には黒に見えているはずだ」
え?
どういうこと?
「霊力で俺が金色の瞳であることを隠しているからだ。
お前には、金に見えると思ってたのに……」
「すずか」と彼は顔をズイッと前へ突きだす。
顔が近くなって慌てて背けた。
なんなの?
この人……。