鈴姫伝説



苦しくて、切なくて何度も悩んで泣いた日々。



戦うことは辛くて。




いつも何かに怯えてた。




心を恐怖に支配されかけたこともあった。



その迷いが、余計にこの戦いをより過酷なものにしてしまったのかもしれない。




それでもあたしたちは、それぞれ想いを確かめ合って、強くなったんだ。


大切な人を守れるように。





「千……大好きだよ」



愛しい彼の大きな胸に顔を埋めた。



やっと……ここに戻ってこれたんだ。



その幸せを噛み締める。



すると、身体が少し離されて……。



金の瞳と目が合った。




「俺も……愛してる」



ポツリと呟いたその唇は、再びあたしの唇を奪った。




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