鈴姫伝説
「この風……」
「どうしたの?お姉ちゃん」
「なんか、冷たい風が、吹いているの」
「えっ、風?なんも感じないよ?」
ゆきなが眉をひそめた。
分からないの?
もう一度、ゆきなを見るけど表情は険しいまま。
「ミューマは、分からない?この冷たい風……」
どんどん強くなる鼓動があたしを焦らせる。
ミューマなら分かるよね。
そう思っても不安で仕方ない。
ミューマを見ると、扉を開けるための姿勢のまま固まっている。
突然、天使はその可愛らしい顔を強張らせて上を見た。
「くる……!!アイツが!」