鈴姫伝説
アイツ……?
アイツって誰……。
「ミューマ……」
ミューマに話しかけようとした瞬間、ゴゥッ!と冷たい風が強く吹き付けた。
「きゃ……!なに?」
さすがにゆきなにも分かったみたいだ。
わずかに目をあけて横を見ると顔を腕で庇っている。
茶色い髪がパタパタと容赦なく顔に叩きつけられる。
痛い……!
けれどその風はすぐに止んだ。
代わりにあるものを残して去っていった。
思わず息を飲んだ。
「あなたは……!!」
「久しぶり……鈴姫……」