鈴姫伝説
「それは……」
なぜか歯切れの悪そうなミューマ。
「これがお姉ちゃんの“使命”みたいなものなんだけど……」
「使命……?」
うん、と頷いたゆきなはコップを置くと真っ直ぐあたしを見た。
「魔物は、ああやってやれば倒すことができる。
お姉ちゃんの霊力なら。
今はまだうまく操りきれてないんだけど……」
まだ、あたしの力はうまく言うことを利かない。
まだまだだ。
「あの千には遠く及ばない……」
ゆきなの声は最後の方が小さくなってしまっていた。
「千は魔物を操っている。
その上、恐ろしいことをやろうとしてる……」
「恐ろしい事……?」
思わず、ゆきなに聞き返してしまった。
「世界を滅亡に追い込ませるほどの力……
“伝説の鈴”を見つけようとしてる……」