鈴姫伝説


「でも、私たちのほうが明らかに千よりは有利だよ」


ゆきなはゴソゴソと何かを机の下から引っ張り出す。


「わぁ……」


それはラムネ色の丸いビン。


光が透き通って机に反射してとてもキレイ。


その中には、あたしが倒した魔物から出てきた鈴が入っていた。


「これ……」


「そう!これが鍵なの。



 これを集め終わると伝説の鈴の場所が分かるらしいんだ!」


ビンに入っている鈴はまだ数個ほどしかなく、ビンの中は悲しい。

そんなビンをぼんやりと見つめる。

集め終わると、ってことはいっぱいになったらってことかなぁ……。

どんなにたくさん倒したらいっぱいになるのかな……。


「とにかく、集めれば世界の滅亡を止められるミュ!


 今できるのはそれだけミュ」


ミューマはラムネ色のビンを大事そうにしまった。


「そうだね。頑張ろう!」


あたしにできることなら、頑張ろう。


あたしは笑った。





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