鈴姫伝説
「今日は魔物出てないね」
昨日は千に会ったから、今日は魔物大量発生!とか覚悟してたんだけど、なんか拍子抜け……。
「そう言えばそうだミュ」
「なら、ありがたいよ。まぁ、鈴が集められないのが残念かな?」
ゆきなは少し悔しそうだ。
「こっちが鈴を集めるのには有利だけど、その魔物を操っているのは、向こうなんだよなぁ……」
そっか……。
ゆきなの言葉に一人納得する。
こっちが有利とはいえ、魔物が現れてくれなきゃ意味がない。
あくまでも“有利”なだけだ。
世界の滅亡って……。
マンガやアニメじゃあるまいし。
千の顔がまたフッと浮かんだ。
何のために……世界の滅亡なんて……。
この世界を壊したいほど、何かを恨んでいるのかな……。
そしたら、あの人はとても悲しい人だ……。
壊す事しか考えてないなんて。