鈴姫伝説
「とにかく魔物が現れたら……」
「……こんなところにいたのか……」
「誰っっ!!」
背後から自分たち以外の声がして、全員がそちらを向いた。
あたしの後ろには、押して開ける窓が付いている。
あの影の世界に行くための扉があるところだ。
そこには人影がある。
見覚えのある人……。
全員の緊張が高まっているのが分かる。
ゆきなもミューマも攻撃態勢だ。
じわりと手に汗が滲んだ。
何でここにいるの……?
この世界に……あなたが……。
「千……!」