鈴姫伝説


──ビュウウゥウッ!!


「わぁっ!」


足の間を風がすり抜けていく。



天界はその名の通り、空の上にある。


変身したあたしたちは今、空にいた。



た、高いぃぃいぃっ!



ミューマの呪文でここまで来たけど、高すぎ!!



足元が不安定なところがキライなあたしは、ゆきなにしっかりしがみついている。


「大丈夫だって。

あ、もう着くよ!」



「ほ、ホント……?」


なら、早く着いて!!

足場があるとこに!!



「うわっ、キレー……」



ゆきなの呟くような声が聴こえて思わず瞑っていた目を開けた。



「…………」



あたしもその光景に言葉を失った。












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