鈴姫伝説
目の前にあるのは、お城。
この前見た、千のお城とは比べ物にならない。
軽く10倍はあると思う。
白い壁に緑の蔦が絡まりついていて、屋根は夏の空を思い浮かばせる水色。
白い壁だから、その屋根はいっそう引き立っている。
その前には大きな鐘の付いた門がある。
門の横にはそれぞれ大きな柱があって、そこには門番が立っていた。
門番の背中には純白の翼。
彼らを飲み込んでしまいそうなくらい、翼は大きい。
彼らは瞬きひとつせず、静かに立っていた。