鈴姫伝説
あたしは大きなお屋敷に住む
“お姫様”だった。
何枚にも重なった鮮やかな重い袿を引きずり、ムダに大きな邸の中で過ごしていた。
あたしは不老不死。
昔は魔物は頻繁にこの世界に現れていた。
この辺りの集落を護るため、
あたしは変身して、不老不死の身体で魔物にぶつかっていったんだ。
そのころ、あの男の子と出会った。
あの男の子はあたしの唯一の幼なじみ……。
闇の色の長めの髪。
白い肌の上に浮く金の瞳……。
そう。
彼は、千だった。