好きより、もっと。
「あかね、キヨちゃんの情報は有力よ。これで、11号サイズのスタッフも制服OKって事じゃない」
「・・・何気にアミさんが一番酷いですけどね」
「高田さんは鈍感ですからぁ。そこが憎めないところなんですけどぉ」
「へっ????」
いつの間にかすり替わっていた会話に、またしても私一人きょとん顔だったのは、言うまでもない。
今回の衣装は、白のセパレートタイプ(チューブトップにホットパンツ、ボレロジャケット)と、黒のワンピタイプ(ミニスカのノースリーワンピで結構タイト、これまたボレロジャケット付き)といった、いわゆる『キャンギャル風』なのだ。
※『キャンギャル』とはキャンペーンガールのこと。
さすがにチーフなのにキャンギャルの衣装で若ぶる訳にもいかない、というだけのことだ。
「ま、最悪スタッフが足りなければアミさんに着てもらいますからね」
サラリとそんなことを言い放ったあかねは、『ちょっとユルイな』と胸のあたりを気にしていた。
あかねさん、あなたは胸があろうとなかろうと、とんでもなくイイスタイルしてますよ。
そして、さっき言った言葉が『何がなんでも制服着せてやる』に聴こえたのが、間違いでありますように。
あかねはチラリと私を見てニヤリと笑い、キヨちゃんに手招きをしていた。
キヨちゃんは素直にあかねに近付き、耳打ちをされている。
にこにこと笑うキヨちゃんに、確実に悪だくみをしている含み笑いのあかね。
嫌な予感どころか、間違いなくこれから私に何かするつもりなのがバレバレだった。
ヤバイ。