好きより、もっと。
「じゃあ~、サイズの確認しておかないとダメですよねぇ?」
「キヨ、たまにはイイこと言うね。ってことで、アミさん。観念してもらえます?」
「はぁっっ!?イヤ、ムリッッ!!!!絶っっ体にムリッッッ!!!!」
ほらねっ!!
この二人ってば、結託したらハンパじゃないくらい強いんだからっ!!
私が何を言っても無駄なくらい、マジでブラックな顔持ってるんだからっ!!
「高田さん、仕事で確認が一番大切、って。いつも言ってるじゃないですかぁ」
「サイズ確認くらいしておかないと、マズイんじゃないんですか?主任?」
ぐうの音も出ません。
だって、仕事上の自分の口癖を出されたら、これも完全に『仕事』って括りになるわけで。
自分の仕事には責任を持て、と。
後輩に言い続けた私にとって、その責任を背負わない訳にはいかなくなってしまった。
「確認くらいするわよ。でも、他にもやることあるから夜にするからっ!」
「アミさん。逃げよう、ったってそうはいきませんよ」
「高田さんがお着替えするまではぁ、準備は終わらないですからぁ」
くっそーっっ!!!!
こういう時の舌ったらず、ヤケにイライラするじゃないか!!!!
逃げ回って、確認するフリをして仕事を続けていた私は、いい加減冷静な顔なんて出来なくなっていた。
そして、それは。
間違いなくあかねの戦略なんだと、理解していた。
負けたよ、あかね。
この二人のタッグに逆らった私が馬鹿でした。