好きより、もっと。
あかねの発した言葉にドキリとして二人を振り向いた。
すると、あかねとキヨちゃんの視線が、私の露わになったお腹辺りに注がれていた。
私は思わず、その場に会った自分のスーツのジャケットを羽織った。
スーツのジャケットに白のホットパンツという、なんともAVみたいな恰好になったことは、気にしないことにした。
「年齢なりの努力の賜物を、そう易々と見せてたまるもんですか」
「何したらそうなるんですか。教えて下さいよ」
「私も知りたいですぅ。高田さん、そういう情報こそ教えてくれないと~」
「企業秘密」
「そりゃカズさんが心配するわけだ」
あかね。
カズの名前を出すのは止めて。
カズには釘をさされたばかりで。
こんな姿見られたら、何を言われるか分かったものではない。
少なからず非難の意味を込めて、二人を見つめていた。
そして、その時『ガチャリ』とドアが開いた。
そこには――――――――
「お前らうるせぇぞ!」
と怒鳴りつけるカズと。
部屋のドアに佇む、嬉しそうな大崎さんがいた。
「――――――――お前っ!!!」
「へぇ~、やっぱりイイ身体してるねぇ、アミちゃん」
「え・・・、あぁっっ!!ってかノック!!!!!」
「声で着替え中じゃないことくらい分かった、っての!!っていうか、お前なぁっっっっ!!!!」
あわわわわわっ。
カズが本気の顔してるよ。
カズは私がコスチュームを着ることが『犯罪』だと言う。
人様に見せるものではない、と。
そこまで酷い体型でないのは知っているが、それはタクの気持ちを配慮しての発言だった。
私はそれを知っている。
カズから目線を逸らし身体を抱えるように後ろを向いた。
けれどそこには、さっきまでいなかったはずの人が立っていた。