好きより、もっと。
携帯を取り出して、アミの名前を探しては。
その通話ボタンを押せずに消してしまう毎日。
さらりと伝えるのは簡単だが、その後のアミはどうなる?
強がりで、我が儘で、泣き虫で。
感情のままにいるアミは、俺にそれをぶつけることが出来るのか?
いや、無理だな。
こと、仕事のことに関してはあまりにも聞きわけの言いアミが。
俺の仕事のことに我が儘を言うわけがない。
ましてや、泣き事なんて、絶対に言わない。
それが、一番厄介だ。
一度仕事モードに入られたら、手も足も出ねぇじゃねぇか。
本音を聞き出して一緒に連れて行くことは、ほぼ不可能だ、と。
俺が一番知ってるじゃねぇか。
ため息しか出てこない俺は、どうする事も出来ず窓の外を見ていた。
――――――伝えるなら、早い方がいいに決まってる――――――
こんなにウジウジしてる自分が気持ち悪くなり、俺はもう一度携帯に手を掛けた。
発信ボタンを押して、コールが響く。
その主が電話に出るのを、痛いくらい眩しい空を見ながら待った。
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