好きより、もっと。



「藤澤チーフ、高田チーフ、おはようございます!」


「おう、おはよう」


「おはよう、国井くん。元気だねぇ」


「はい!夏に向けて気合い入れないといけないですし!」




国井大希
(クニイ ダイキ)。

22歳、社会人2年目。

身長が高く、色黒。

まだまだヒヨッコの男の子は、最近やっと学生らしさが抜けてきた。



カズにしごかれることが、嬉しくて仕方がないみたい。

ドMだ。




「国井、後で打ち合わせするから加藤にも声掛けとけ。桂木たちは現場から戻ったら合流だ」


「了解しました。加藤来たら、一緒に連れて行きます」


「あかねとキヨちゃんには、コスチューム用意するように伝えてくれる?次回コンパニオンだから」


「わかりました。・・・高田さん、本当に着ないんですか?」


「国井くん・・・、殴っていいかな?」


「うわっ!スイマセンッ!!冗談ッス!!では、っ後程っっ!!!」




憎めないやら、落ち着きないやら。

これだから新人はたまらない。


二年目になる後輩が二人。

四年目になる後輩が二人。

そして、七年目の私とカズ。




イイメンバーに囲まれていると、信じられないくらい忙しいこの仕事も、全く苦じゃないから続けられる。

私の居場所が此処にある。


< 7 / 201 >

この作品をシェア

pagetop