好きより、もっと。
「ほら、打ち合わせするぞ」
「あぁ、うん」
国井くんの背中をじっと見ていた私を、不思議そうにカズが覗く。
次のイベントは部署がかかりの大きなイベントになる。
少しだけ頼もしくなった国井くんの背中は、なんだかとても心強かった。
「おい、アミ。配置図は?」
歩きながら仕事の話しなくても、もうすぐ打ち合わせ部屋に着くのに。
せっかちなヤツだ、と思いつつも、なんだかんだでタイミングがぴったりなカズに笑う。
二人とも仕事が好きで。
この部署のメンツが大好きだから。
だから、仕事が出来るんだと思う。
「今、広げるの無理。部屋まで待って」
「なんだよ、手際わりぃな」
そんなことを言って笑えるから、いいんだと思う。
本当に。
「じゃあ、来月のイベントの配置確認な。それと、タイムスケジュール調整しねぇと」
「これ図案。で、スタッフ配置予定はココ」
机の上に図面とスタッフリストを並べて、部署のメンバーの配置を確認する。
イベントは、核になるスタッフの配置が決まらないと、手配するスタッフの調整が出来ない。
今回は外注で20~30名程度のスタッフを頼むのだけれど、5名の男性スタッフ以外はコンパニオン要員だ。
なので、うちにいる男性陣の配置が大切になってくる。
防犯、機材用意、誘導、スタッフ指示。
男性に任せなくてはいけない部分は、実はとても重要なところばかりなのだ。
一応現場では、カズが大抵の統括を兼ねている。
そして、女性スタッフは私が担当する。
だからこうして、二人での打ち合わせが増えたりするのだ。