穴の空いた服



──それからは本当に中上にとって悲劇だった


午前11時、子供連れの親が中上の所へやって来た。その子供が穴の空いた服を触り、笑い、踏んで、挙げ句のはては破った。それでも注意しない親は何なんだと、思わずにはいられなかった。

午後1時、部活帰りの女子高生が中上の前を通った。通りすぎたので、ほっと一安心できると思ったが、大間違いだった。「ちょ、かな見て!!なにこのボロクサイ服。まじうけんだけど!!あーし、写真とろ!!」最悪だ。それで、数分間写真をとるとさっさと行ってしまった。

< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop