あの子が笑えますように
涙の雫を
ガチャッ



なんていう暢気な音を立ててドアを開けたのが過ちだった。


――なんて、一体誰が予想できるのか。

だいたい、ドアを開けずに自分の家に帰るとか無理すぎる。




だけど、そう思わずにいられないんだ。


わかるだろ?



人生、どうしようもないことってあるものさ。







「ゆーすけ!俺っちついにあみみんとチューしちゃったぁ」


「・・・・・・ふーん」



ダチの広一(コウイチ)が唇をタコのようにしてむふふんと言ってきた。


が、まったく興味がないので視線は手紙の上のまま。





これ、どーっすっかなぁ。




「ゆーすけぇ、もうちっとかまってよぉ~。

ノリ悪いコ嫌いよ?」


「だってどうでもいいし。」


「おい君。それをハッキリ言っちゃあだめでしょ。」


「つーかさ。

これ、どうすりゃいいと思う?」





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