あの子が笑えますように
はぁとため息をこぼしつつ自宅であるマンションの一室に到着。



ガチャッ



なんていう音を立ててドアを開いた時。





びゅんっ


なんていう風と共に女の子が飛び出してきた。






「うぉっ!?」



慌ててのけぞり、なんとか衝突を回避。




女の子は謝ることもせずそのまま脱兎のごとく駆けて行ってしまった。






――けど。



ちらりと見えた横顔は、一ヶ月前全裸で見たあの子のもので。

頬を透明な涙が伝っていた。







・・・・・・・・・って、は?



おい、ちょっとどういう・・・




パチパチと目を瞬いていると、のっそりと兄貴が顔を出した。





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