go way





シュポ。ボー。



ライターをつけては消してを繰り返す博貴。   
煙草をくわえ博貴の横に腰を下ろす。


「火貸してや。」

ライターを差し出す博貴。


「どないしてん?顔怖いで。」


差し出されたライターから火をつけるすばる。

「何でもあらへん。」

眉間に皺をよせ答える。

「何でもあらへん顔やないで。」
「親と喧嘩してん。ただそれやけや。」

乱暴な口調。

「いつものことやろ?」

淡々と話を聞く。
煙草を地面へと押し付け火を消すすばる。

「腹立つねん。兄貴。兄貴。兄貴って。いつも兄貴と比べやがって。毎日毎日同じこといわれてみいや。僕は僕やって。出来の良い兄貴とはちゃうねん。何でなん?あいつの口からでよるのは兄貴のことばっかりや。」

だんだん声が大きくなる博貴。
眉間の皺がさらに深さをます。


「お前の出来が悪いからやろ?」
「…。」


睨む博貴の目から視線を逸らす章大。
   
「冗談やって。お前のこと思っとるうやないの?心配しとるんやって。」
「そうやって。俺等みたいのとつるんどるで。」

さっきとは打って変わり
真剣な言葉をかける章大。
章大の言葉に追加するように
博貴へと言葉をかける隆平。


「ダチくらい自分で選んでもええやん。
みんな同じ人間やったら面白ないやろ?」


鬱憤が溜まっているのか
この日の博貴は耳をかさない。
それどころか噴火してしまった怒りを
抑えることも出来ない。

「博貴の気持ちも分かるで。でもな。」
「わかるやろ。」

忠義の言葉を遮るように言葉をかぶす。
怒りの感情を募らせているのは博貴だけでなく。
時折イライラさを除かせているすばる。









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