go way






割れたビンにゴミ。
裏通りだからだろうか人通りもない薄暗い道。
無駄に大きい高層ビルが太陽を遮る。
必死に走るすばるを追う信五。
   

「待ってて。」


すばるの手をようやく掴む。
  

「一人になりたいんねん。」


ゼーハー肩で息をする2人。
掴まれた信五の手をはらいのける。
   
「それは無理や。僕の性格分かってるやろ。しつこくてお節介で心配性で後は…。今のお前を一人に出来へん。」
「信五らしいな。ほなけどなあかんねん。今の俺はみっともないねん。カッコ悪いねん。せやから誰にも見られたくない。頼むから一人にしてや。」

信五に背を向けるすばる。
   
「みっともないのもカッコ悪いのもとうに分かっとるわ。お前は昔からそうやねん。強がるなや。今さらカッコつけんなや。」

すばるの肩へ手をおく。
  

「…。お前には負けるわ。」


壁にもたれ座るすばる。
その横に座る信五。










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