go way


弱肉強食。
字の如く強いものが弱いものを食う。
この街では脅しも暴力も窃盗も当たり前のことで
こんな現場、日常茶飯事 何処でも目にする。

やから

僕等はその流れに身を任せ生きてきた。
何が正しくて何が間違いか。
人それぞれものさしが違うから例えそれが犯罪だったとしても
僕等には関係ない。

やって

それが僕等の生きてきた街やから。







携帯のなる音。
ポケットから携帯を取り出す信五。


「何やねん。」


“もしもし”でもなく“どうした?”でもなく
ぶっきら棒に電話に出る。

「何やねんちゃうで。また裕のやつキレちゃって大変やねん。」

慌てている忠義の声。
電話ごしに伝わる裕のキレた声。
それをとめる博貴と章大の声。

「今、博貴と章大がとめとるんやけど手におえへん。助けてや。」

弱気な声の忠義。

「わ~た。わ~た。何処におるん。う~ん。すぐ行くわ。」

用件だけを聞くと
携帯をポケットにしまう信五。


「誰や?」


信五に問いかけける亮。
  
「忠義。裕のやつまたやちゃってるらしいわ。」

複雑な表情を浮かべる。
   
「また?こないだもキレちゃったんやなかった?」

呆れた表情の隆平。
   
「好きやね。」

隆平とは反対に人事のようにものを言う亮。
  
「ほな。行きますか。」

すばるの声を合図に走り出す4人。
 





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