go way
残されたきつい香水の臭い。
崩れるようにしゃがみこんだままの隆平。
「大丈夫なん?」
隆平の肩を抱き近くの空き箱に座らせる信五。
「…。」
うつむいたままの隆平。
「何か飲む?」
信五の言葉に首を振る隆平。
「何やねん。あいつ。」
ぼそっと呟く博貴。
「嫌な思いさせちっまたな。スマン。」
無理に口角をあげる。
「何言うねん。そんなこと気にするなや。」
章大の言葉に被せるように
「もう大丈夫や。」
無理に笑ってみせる隆平。
「どこが大丈夫やねん。」
「無理すんなって。」
忠義の言葉に続き裕の声。
「無理なんかしてへんよ。」
涙が頬をつたう。
「素直になれや。俺等の前で強がるなや。」
「隆平らしくねぇよ。」
隆平を見つめる亮とすばる。
「…何で涙がでるんやろ?
もうとうにあきらめとったはずやのに…」
隆平の背中をさする信五。