go way
失った愛
すみきった空。
気持ちいい暖かな風が吹き抜ける。
丘の上に立てられた一つの墓。
綺麗な花が置かれている。
置かれた花を手に持つ亮。
「またや。誰やねん。」
花を元に戻し自分の花を供える。
手を合わせる。
「会いに来たで。お前の好きな花や。
もう3年もたつやんな。」
お墓の名前を手でなぞる。
「ごめんな。一人にして。淋しいやろ?
俺もお前がおらなあかんねん。」
涙をこらえる亮。
「愛しとるで。」
お墓を後にする。
木の陰から亮を見つめる章大。
身体の力が抜け
そのまま木に身をまかせしゃがみこむ。
拳を地面にぶつける。