go way
古ぼけた工場。
ドアの鍵は壊され錆びついた鉄の臭い。
使われていない機械が放置されている。
「いるんやろう?」
冷たい目。
低い声。
落ちていた鉄パイプを拾う。
「まだおるんやろ?」
鉄パイプを引きずり歩く。
「なんや。章大やん。」
肩に手を乗せる男。
「汚い手でさわんな。」
男の手をはらいのける。
「今頃、何しにきたん?」
何が可笑しいのか章大を見て笑うもう一人の男。
「あいつは?」
「随分な口聞きよるな。」
ずっと章大を睨み付けていた黒髪の男が口開く。
「口の聞き方 気いつけな。」
急に後ろから殴りかかる最初の男。
「何やって?」
持っている鉄パイプで殴りつける。
「偉くなったもんやな。」
殴りかかろうとする男を制止する黒髪の男。
不気味な笑みを浮かべる章大。
「ついてこいや。会いたいんやろ?」
男の後についていく章大。