明日も晴れ
私が着替えている間、今泉君はカラオケ屋さんの隣りのショッピングモールで待っていてくれてる。
まさか家に上がってもらうわけにもいかないし、家の前で待ってもらうわけにもいかない。それに今泉君も着替えなければ、制服のままではカラオケなんて行けない。
私の家は高校の最寄駅と反対側の、ショッピングモールのすぐ近くにある。
家から高校までは約二キロだから、自転車通学。今泉君は、ひとつ隣の駅から電車通学してる。
ショッピングモールへと向かう道中には、私と同年代かそれ以下と思われる私服の子が溢れている。
かくいう私も、そのひとり。
横断歩道を渡ったらすぐにショッピングモールの敷地、立ち並ぶモニュメントを潜りぬけた私は歩く速度を緩めた。
建物沿いに並んだ自転車置き場を横目で見ながら、少し上がった息を整える。
高鳴る胸を鎮めながら、自動ドアを潜った。
ドアを潜り抜けた世界は、まるで海の中。真っ直ぐに延びる幅広い通路には、深い海の底をイメージした青色を基調とした絨毯が敷かれている。