明日も晴れ

半ば諦めた気分で、ぐるりとフードコートを見渡した。



テーブル席のうち、三分の一ほどは埋まっている。二、三席開けて等間隔に埋まったテーブル席には、私たちと同年代の中高生と思われる子ばかり。
大声で話したり、笑い合う声が響いてくる。



それに対して私たちは寡黙。
今泉君は黙々と食べているし、私は半分に割ったたこ焼きを睨んで冷めるのを待っている。



ふいに視界の端に、今泉君の手が滑り込んだ。
何事かと、とっさに体が強張る。



伸びた手はドリンクの入った紙コップを取り上げた。体の力が、するすると抜けていく。



なんだか、緊張した私がバカみたい。



情けなく思いつつ、竹串に挿したたこ焼きを口へと運ぶ。ちょんと唇に触れたら、ちょうどいい温度。



口へと放り込んだら、今泉君が私を見てる。ストローを咥えたまま首を傾げて、



「もしかして、猫舌?」と問い掛ける。



「うん、そう」



答えると、今泉君はきょとんとしたままで。



「そっか」と一言。





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