明日も晴れ

日が暮れるまでには家に帰らねば。



一応受験生だから、母が帰るまでには帰宅しておきたい。うるさく言われたくないし、余計な心配はかけたくないし。



もし補習授業から帰ってから外出したとバレたら、暑いから図書館に行ってたとでも言えばいいけど。要らぬ憶測はさせるべきだ。



カラオケを終えた私たちは、ショッピングモールを離れて家へと向かっていた。



まだ外は明るいのに、今泉君は家の近くまで送ってくれる。これまでの数少ないデートの帰りも、こうして送ってくれた。
こういうところは親切。



というか、彼氏らしいところがあったんだなあと思える。送ってもらったぐらいで彼氏らしいなんて、普段が全然らしくないから。



「明日、何時にしよう? 七時半から始まるから五時に待ち合わせようか?」



今泉君が口を開いたのは、別れる場所が迫ってきたから。



花火はショッピングモールから程近い港で打ち上げられる。観覧は港に面した公園や突堤、周辺の岸壁や埠頭のほか、当日に限ってショッピングモールの屋上も開放されている。




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