明日も晴れ
さて、明日の花火のことはいつ話そうか。
夕食が終わった頃がいいか、母がお風呂から上がった頃がいいか。とりあえず今は話すべき時じゃない。
父の帰りは遅いから、夕食は母と二人のことが多い。
今日も母と二人の夕食。
テレビを観ながら黙々と食べていると、母が何か思い出したような顔をした。
「明日はどうするの? 花火大会行くの?」
私が言い出す前に、母が言ってくれたことに感謝。
「うん、友達と行ってくる。だから帰りは遅くなると思う」
「そう、なるべく早く帰ってきなさいよ、どこで観るの? 港まで行くの?」
「まだ決めてない、ショッピングモールで五時に待ち合わせてるだけ」
「ショッピングモールの屋上なら帰りは近いでしょ? 港まで行ったら混んでるから、そこにしたら?」
「まだ考え中。お母さんもお父さんと行ったら? お父さん仕事?」
ほんの少しだけ母が恥ずかしそうな顔をした。私を避けるように視線を落として箸を伸ばしたけど、ちゃんと見えたんだから。