明日も晴れ

髪を適当にアップにするといっても、普段あまり髪を纏めたりしていないから難しい。



インターネットで『纏め髪 簡単 浴衣』などと検索。検索結果の中でも簡単そうで、自分でもできそうなものをピックアップしてみたけど難しい。



「いつまでかかってるの?」



母の不機嫌な声が部屋の外から聴こえてくる。浴衣を着付けてくれると待っているのに、なかなか私が来ないから部屋まで呼びに来たのだ。



私だって早くしたいけど、なかなか上手く出来なくて悪戦苦闘しているのに。天性の不器用だから。



ドアを開けた母が、眉間にしわを寄せて見下ろしてる。



「もうちょっと……、後ろ見えないから難しいの」

「どれ? ここをどうしたいの?」



母は私からピンを取り上げた。パソコンの画面を観ながら、さっさと私の髪に挿していく。



なんだか照れ臭くて、変な感じ。基本的に母も不器用だから、私が幼い時に髪を結ってくれたことはほとんどなかったから。



「出来た、これでいい?」

「いい、ありがとう」



ちょっと角度が違ってるけど、いいや。助けてくれて、ありがとう。


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