初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「もうこんな時間か。帰るわ、俺」
そう言って色羽が立ち上がると、成もトランプを片付けた。
「あ、じゃ俺も」
最近、ふたりがあたしの部屋に泊まって寝ていくことは、ほとんどなくなった。
「おやすみー華」
そう言って笑顔で手を振る成。
「じゃな」
無表情でそっけない言い方の色羽。いつものことだけど。
「おやすみー」
あたしは部屋を出ていくふたりに手を振って笑顔で見送る。
――バタン。
ドアが閉まると、少し寂しい気持ちになった。
寝相の悪いふたりに挟まれて寝ていたのが懐かしい。
こうやって、少しずつ変わっていくのかもしれない。
いつまでも子供でいたいなんて、そんな願いは叶わない。
大人になっていくのが寂しい。
だからこそ、
この一瞬、一瞬を大切にしなきゃって思う。