初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
――夏祭り当日。
メイクをして、髪も可愛くして、ピンク色の生地に朝顔柄が描かれている浴衣を着た。そして赤色の帯を巻く。
「お母さん、どう?」
「ふふっ。何回聞くのよ。とっても可愛いわよ」
「へへっ」
小さい頃は浴衣を着て夏祭りに行ったけど、もう何年も浴衣を着て行くことなんてなかった。
けど、今年は3人で浴衣を着ていこうという話になった。
あたしが浴衣を着たいがために言い出したことだけど、
ひとりで着ていくのもなんだか恥ずかしい気がして……。
3人で浴衣を着ようと言ったら、成は「いいよー」とノリノリで、色羽は「めんどくせぇ」とあんまり乗り気じゃなかった。
ふたりの浴衣姿、楽しみだな。
鏡にうつった自分の浴衣姿を見つめる。
去年の夏祭りとは、全然違う気持ちだった。
成……可愛いって思ってくれるかな……。
「な、なに考えてんだろ、あたしってば……」
首をブンブンと横に振る。
成には砂歩がいるのに。