初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
玄関を出ていくと、浴衣を着た成がうちの前で待っていた。
青の浴衣に紺色の帯を巻いている成の浴衣姿。
ドキッとする。
「かわいいじゃーん!華ーっ」
いつものような明るい笑顔で言う成。
あたしは照れてうつむいた。
「あ、ありがと」
「俺はどぉー?」
「ん……チャラく見える」
素直じゃないなぁ、あたしは本当。
「ひどくね?」
本当はすごくかっこいい。
かっこよすぎる!ずるいっ!
「てかさぁー、また髪の色、明るくしたの?」
茶色くて柔らかい成の髪を、あたしはくしゃっと掴んだ。
「バレた?前の色に飽きたからなぁ。この茶色ちょっと金髪に近いけどどう?」
「いいんじゃない?」
「だろー?」
「ふふっ。気に入ってるんだね。あれ?色羽は?」
あたしが聞くと、成は少し先を指差して微笑む。
「なんか、あそこでスカしてる」
成の指差した先を見ると、原っぱの前にしゃがみこんで、
缶ジュースを飲む、浴衣姿の色羽がいた。