初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
「色羽、絶対照れてるよな。待てよぉー!色羽!俺たちのこと置いてかないで~」
成が叫ぶと、色羽は立ち止まり振り返る。
「早くこいよ」
あたしと成は、色羽の元に駆け寄っていく。
「なぁ、色羽。今日の華、かわいいよな?」
「ちょっ……成っ……」
「あぁ。……浴衣がな」
あたしはペシッと右手で色羽の胸元を叩いた。
「素直じゃないな、色羽は」
そう言って成が歩き出すと、色羽は後ろから成のおしりに蹴りを入れる。
「イテェ……ッ!色羽~下駄で蹴り入れんなって~」
「うるせぇ」
「ふふっ」
空がオレンジ色に染まる夕暮れ、あたしたちは夏祭りの神社へと向かった。