初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら

かき氷を食べながら、人混みの中を歩いていく。



「華のかき氷、一口ちょーだい」



そう言って成は、大きく口を開けた。



「あ、うん。はーい」



あたしは自分のスプーンで、成に食べさせてあげた。



なにドキドキしてるんだろう。



前は、こんなこと全然普通だったのに。



やっぱり意識しちゃうとダメだな……。



色羽と目が合う。



「色羽も食べる?」



「……いらねー」



色羽が急に機嫌悪くなった。



なに?どうしたんだろう?



「あ、たこやき食おっ」



成がうれしそうに、たこやき屋さんの前に駆け寄っていく。



「ふふっ。成ってば、はしゃいでるね」



そう言って色羽の顔を見ると、色羽はプイッと顔をそらしてしまう。



「なっ……」



むかつく……!



あたしは色羽の頬を思い切りつねった。



「なんなのよぉ!その態度は」



「イテテ……」



なにふてくされてんのよ。



ヘンなの。
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