初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら
石段に3人で座り、たこやきを食べていた。
「ふはっ……華、口のまわりにソースついてるぞ~。ガツガツ食い過ぎだろ」
笑いながら成は、指であたしの口まわりについたソースを拭いてくれた。
成の顔を見つめると、満面の笑みを見せる成。
「取れたよ」
胸がぎゅってなる。
いや、成にとってはいつもと変わらないんだろうけど、
いまのあたしの心には刺激が強すぎる。
「あ、ありがと……」
「こんなに大きなたこやきなのに、よく一口で食おうとするよなぁ~」
そう言って成はイタズラっぽく笑う。
「一口で食べるから、おいしいんじゃん!」
照れ隠しのために、またもや女子力のない発言をしてしまった。
「華らしいけどさ」
成がニコッと笑った。
成の表情ひとつで、あたしの心臓は忙しい。
「俺、向こうで焼きそば買ってくる」
急に大きな声で立ち上がった色羽。
普段あまり大きな声出さないから、びっくりした。
「色羽~俺のも買ってきて~」
成が言うと、色羽は「うん」とだけ返事して、そのままこっちを見ずに歩いて行ってしまった。
色羽の背中を見つめる。
やっぱり機嫌悪い。
最初は別にそんな機嫌悪そうでもなかったのに。
なんなのよ、もぉ。
せっかく夏祭り来たのにさ。