初恋Daysーあの場所で、また逢えたなら




** 色羽side **



少し自分の頭を冷やそうと、



俺は別に食いたくもない焼きそばを買いに行くといって、ふたりから離れた。



「おじちゃん、焼きそば2つ」



「あいよ」



なに嫉妬してんだよ、俺は。



華の気持ちを知ってるからだろうな。



あんなことで、いちいちイラつくなんて……。



「はい、おまちっ」



屋台で焼きそばを買って、俺は人混みの中を歩いて戻っていく。



成と華の関係は、いままでと何も変わってないのに。



成には西内がいるのに。



華の気持ちを知ってるだけに、焦る自分がいる。



華にあんな態度を取って、俺はどうしたいんだよ。



好かれるどころか嫌われるじゃんか。



俺は深くため息をついた。



「はぁーあ。俺って、ちっせーな」



華が成を好きでも、俺はあきらめないって決めたのにな。
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